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10代のうちに確認しておきたい、親が払ってくれている保険の種類とその内容。

 

「私の保険って、どんなもの?親が払ってくれてるらしいけど、何だかよくわからない10代の皆さんの中には、そう感じている人も多いのではないでしょうか。保険の種類や内容はどのようになっているのでしょうか。また、何のために加入しているのでしょうか。一緒に考えてみましょう。ここでは、主に、病気・ケガ、死亡などに備える『生命保険』について解説します。

親が払ってくれている「保険」って何?種類別に見てみよう

 

保険とは、私たちが病気やケガ、災害といった予期せぬできごとに直面したときに、経済的なサポートをしてくれる「加入者同士の助け合いの仕組み」です。親御さんが皆さんのために加入してくれている保険は、主に以下の3つのタイプに分けられます。

 

〇医療保険・がん保険

 

これは、病気やケガで入院したり手術をしたりした際に、その費用をカバーしてくれる保険です。日本の公的医療保険制度(健康保険)のおかげで、医療費の自己負担は通常3割で済みますが、長期間の入院や先進医療を受ける場合は、自己負担額が数十万円、数百万円に膨らむこともあります。親御さんが加入している医療保険は、そうした高額な自己負担に備えるためのものです。がん保険は、がんと診断された時や治療にかかる費用に対して特化した保険で、医療保険ではまかなえない費用をカバーするためのものです。

 

〇死亡保険

もしも、一家の働き手である親御さんが亡くなってしまったら?そのような場合に、遺された家族の生活費や教育費などを手助けするために加入するのが、死亡保険です。皆さんがまだ未成年で、親御さんの収入に頼っているうちは、親御さんの死亡保険が皆さんの将来の生活を支える、大切な安全策になります。また、皆さんが将来、「社会人になった。」「結婚した。」「子どもができた。」というときには、今度はご自身が死亡保険を検討することになります。

 

〇学資保険

 

これは、子どもの将来の教育費を準備するための貯蓄と保障を兼ねた保険です。多くの場合、子どもが高校や大学に進学するタイミングに合わせて、まとまったお金(祝い金や満期保険金)を受け取ることができる仕組みになっています。親御さんは、皆さんが安心して学べるよう、早い時期からこの保険でお金を準備してくれているのです。

 

その他、自動車事故に備える「自動車保険」や、火災や自然災害に備える「火災保険」など、皆さんの生活に関わる様々な保険が存在します。おうちの方が「〇〇保険に入っているから大丈夫」と言う場合、それは皆さんの生活を守るための大切な備えであることを理解しておきましょう。

保険料は誰が払ってる?10代だからこそ知っておきたい「保険」の基礎知識

 

皆さんが今、当たり前のように感じている「将来への安心」は、さまざまな社会の仕組みとともに、親御さんが毎月・毎年、保険会社に支払っている「保険料」によってもサポートされています。

 

「保険料」とは、保険に加入している人全員で出し合うお金のこと。そして、「満期になった」「もしものことが起こった」などのときに、保険会社が支払うお金を「お祝い金」「満期金」「給付金」「保険金」などとと言います。お金を出し合って、もし誰かが困ったら、その「巨大なお金のたくわえ」からお金を出して助ける、いこれが保険の基本的な仕組みです。

 

皆さんの多くは、まだ親御さんの扶養家族になっていることでしょう。親御さんは、皆さんが将来、自立して生活できるようになるまでの間、さまざまななリスクから守るために、お金の面でも責任を負っています。その責任を果たすためのツールの一つが「保険」なのです。

 

「でも、自分はまだ学生だし、保険なんて関係ないのでは?」と思うかもしれません。しかし、10代のうちに保険について知っておくことは、将来、ご自身が社会人として自立し、家庭を持つなどの際に非常に役立ちます。

 

例えば、皆さんが学校を卒業後、就職して一人暮らしを始めたとします。風邪やケガで病院にかかれば、医療費は自分で支払わなければなりません。もし、大きな病気をして長期の入院や治療が必要になったら?親御さんに頼ることはできるかもしれませんが、新たな負担をかけることになります。

 

このように、保険を知ることは、「自分のお金を自分で管理し、自分の行動に責任を持つ」という、自立した大人になるための第一歩なのではないかと思います。

10代のうちに確認しておきたい4つのチェックポイント

 

「親が払ってくれている保険、何だか難しそう」と感じるかもしれません。まずは以下の4つのポイントだけでも、親に質問して確認してみましょう。

 

1. どんな種類の保険に加入しているか?

 

まずは、皆さんが加入している、または皆さんのために親御さんが加入している保険の種類(医療保険、がん保険、学資保険など)を聞いてみましょう。保険証券という書類を見せてもらうのが一番確実です。

 

2. どんな時に保険金が支払われるか?

 

「病気で入院したとき」「手術を受けたとき」「親御さんが亡くなったとき」など、それぞれの保険がどのようなリスクをカバーしてくれるのか、具体的に確認しましょう。特に、医療保険であれば「入院1日につき〇〇円」「手術1回につき〇〇円」といった形で、給付額も聞いておくと安心です。

 

3. いつまで保障が続くか?

 

皆さんや親御さんが加入している保険は、いつまで保障が続くのでしょうか?「一生涯」「〇〇歳まで」といった、保障期間を確認することは非常に重要です。学資保険であれば「大学進学時」「卒業時」など、契約内容によって保険金が支払われるタイミングが異なりますので、確認しておきましょう。

 

4. 毎月の保険料はいくらか?

 

親御さんがご家族や皆さんのために毎月いくらのお金を支払っているのか、聞いてみましょう。数百円の保険もあれば、数万円かかる保険もあります。親御さんがかけてくれている「お金の重み」を知ることで、感謝の気持ちが芽生えるだけでなく、将来の自分の家計を考える際の良いきっかけにもなります。

これらの質問をすることで、皆さんは自分の将来を守るための、いわば「お金の地図」を手に入れることになるのではないかと思います。

知っておくことは「自立への第一歩」。親御さんとのコミュニケーションのきっかけに

 

ここまで読んいただいて、「なんだか、重たい話だな」と感じたかもしれません。しかし、保険について知ることは、決して怖いことではありません。むしろ、将来の自分の人生を主体的に考えるための、とても前向きな行動です。

 

親御さんは、ご家族や皆さんが安心して生きていけるよう、何年も前から、そしてこれからも、さまざまなリスクに備えてお金を備え、積み立ててくれています。それは、ご家族や皆さんのことを心から大切に思っている証拠です。

 

「お父さん、お母さん、いつもありがとう。私が加入している保険について、少し話を聞かせてもらってもいい?」そんな一言から、親御さんとの会話を始めてみるのも良いかもしれません。保険の話は、親御さんが皆さんのことをどれだけ考えてくれているかを知る良い機会になります。また、皆さんが将来の自分の人生を真剣に考えていることを親御さんに伝える、良いコミュニケーションのきっかけにもなるでしょう。

 

そして、皆さんが社会人になり、ご自身で保険を選ぶときが来たとき、このとき得た知識は必ず役に立つはずです。何が本当に必要なのか、何に備えるべきか、自分で判断できるようになるのではないでしょうか。

 

 

保険は、お金を「もしも」のためにたくわえておく仕組みです。そして、そのお金は、親御さんがご家族や皆さんにかけている深い愛情でできています。この機会にぜひ、親御さんに聞いてみてください。知ることは、皆さんの「自立」への大きな一歩となると思います。