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資産所得倍増プランとは

『資産所得倍増プラン』という言葉をよく耳にすると思います。とても興味の持てるプランですが、具体的にどのような取り組みを行っていくのでしょうか。このコラムでは資産所得倍増プランの実施概要を紹介します。

 

■資産所得倍増プランが実施される背景

 

資産所得倍増プランは、岸田内閣の主要政策である「新しい資本主義」の施策の一つです。資産所得倍増プランは、20221128日、第13回新しい資本主義実現会議で決定しました。

 

日本の家計の金融資産は、20226月末時点で2,007兆円に達しています。そのうちの現預金は、54.3%にあたる1,102兆円です。投資信託と株式の割合はというと19.1%383兆円となっています。

 

家計の金融資産の2分の1以上は現預金となっていますね。現預金は、低金利により増やすことが難しいですが、この現預金を貯蓄から投資へと促すことで、企業等に投資され企業価値が向上します。

 

投資の恩恵を得られると、私たちの資産形成が進んでいくことが期待できるでしょう。このように経済成長と資産所得の拡大という両側面の活性化を目指そうというものです。

 

■資産所得倍増プランの概要

 

一般NISA2014年から、ジュニアNISA2016年から、つみたてNISA2018年から開始されました。従来はひとりにつき1口座でしたが、2024年からの新しいNISAは、それまでの一般NISAに対応する部分である成長投資枠と、とつみたてNISAに対応する部分であるつみたて投資枠を併用して活用することができます。

 

資産所得倍増プランは、5年後には口座数と買付額が倍増することを目標としています。それに伴って家計の投資額が倍増することを目指します。長期的には資産運用益が倍増することも視野に入っているそうです。

 

政府は、投資を行わない人が投資に対してどのような印象を持っているかを分析しました。その結果をもとに、制度を分かりやすく使い勝手の良いものにし、同時に投資に関する知識不足や不安を解消していくことが必要と考えています。

 

資産所得倍増プランには7本の柱があります。

 

第一の柱:家計金融資産を貯蓄から投資にシフトさせるNISAの抜本的拡充や恒久化

第二の柱:加入可能年齢の引き上げなどiDeCo制度の改革

第三の柱:消費者に対して中立的で信頼できるアドバイスの提供を促すための仕組みの創  

     設

第四の柱:雇用者に対する資産形成の強化

第五の柱:安定的な資産形成の重要性を浸透させていくための金融経済教育の充実

第六の柱:世界に開かれた国際金融センターの実現

第七の柱:顧客本位の業務運営の確保

 

以上の7本の柱の取り組みによって進められます。

 

■「貯蓄から投資へ」

 

私たち生活者にとってかかわりが深いのは、第一の柱であるNISA制度の拡充や恒久化、第二の柱であるiDeCo制度の改革でしょう。

 

新しいNISA制度は、20241月からスタートしています。新しいNISA制度のポイントは、次のようになります。

 

・非課税で保有できる期間が無期限になる

・制度の恒久化

・積立投資枠と成長投資枠は併用できる

・年間に投資できる枠が拡大する

・非課税で保有できる限度額が新設される

・非課税で保有できる限度額は、枠を再利用できる

 

iDeCo制度の改革内容は、以下になります。

 

・加入できる年齢が原則65歳未満までに拡大

・企業型確定拠出年金とiDeCoの同時加入の要件が緩和された

・受給開始期間が60歳から75歳まで選べる

 

202412月からは、確定給付企業年金に加入している方のiDeCoの拠出限度額は、2万円まで増やすことができるようになります。資産形成の選択肢が増えるということですね。ご自分にはどのような投資計画が合っているか、しっかりと検討しましょう。

 

資産所得倍増プランの第三の柱には、消費者に対して中立的で信頼できるアドバイスの提供を促すための仕組みの創設、第五の柱には、安定的な資産形成の重要性を浸透させていくための金融経済教育の充実、さらに第七の柱は、顧客本位の業務運営の確保がうたわれています。

 

私たちFPは皆様の資産形成、将来の生活設計にお役に立てるのではないかと思います。

迷ったときには、どうぞご相談ください。